新聞記事より 乳酸は疲労物質でなく持久力に必要

昔、中学生の体育の授業でハードに身体を動かしたあとに筋肉痛になって、なぜこんなに痛いのかかわからず、空手でハードな稽古の後に歩くのも、腕も上げれないほどの筋肉痛になってこれはハードに動かした後に筋肉は痛くなってしまうものなんだとわかった記憶があります（笑）

その時はこの痛い原因は、乳酸が筋肉にたまってるのが痛い原因なんだと先輩か同級生にいわれた記憶があります。なんでイメージ的に乳酸が流れれればこの痛みもマシになるんだとなんとなく思ってました。さて、乳酸って食品関係でもよくききますよね？？

そもそも乳酸とは牛乳の糖質を発酵させてチーズやヨーグルトを作る際に生じる物質で、これらの食品の酸味を作り出すものです。牛乳から乳酸を作り出す発酵菌を乳酸菌と呼び、この菌は牛乳だけでなく様々な食品の発酵に関わってるので、いろいろな食品に含まれています。

この仕組みは乳酸菌が生きる為に必要なエネルギーを糖質を分解することによって生み出し、その結果として乳酸ができるのです。その考えると乳酸は糖質を燃やしたあとの「燃えカス」のように思ってしまいますよね。しかし・・・これが誤解なのです。

実は人間の身体でも乳酸は生じています。それは乳酸菌のせいでなく、人間の細胞で糖質からエネルギーを得るときに乳酸が生じているからです。

人や動物では運動など激しく体を動かすと、その最中や直後に血液中の乳酸が増えることが知られています。運動直後に疲れた体で「燃えカス」と思われている乳酸が増えるのですから、肉体疲労の原因は乳酸であると、大昔の学者が断定してしまいました。

その研究とは直接関係ない筋肉痛や、全身倦怠感、慢性疲労などの原因も乳酸の蓄積であると信じられてきました。

しかし近年の研究により乳酸は疲労物質でないことが明らかに、慢性疲労の人の血液には乳酸が増えてないことが明らかに、運動後の筋肉痛は乳酸がすっかりなくなった後でも継続することも証明され「運動して乳酸が溜まって筋肉が疲労したり、筋肉に張り出たりする」というのは真っ赤な嘘だったわけです。　←今更ですが～～～

では運動するとなぜ乳酸が血液中に増えるのでしょうか？これは単に不必要なものがたまってる現象でないことがわかってきました。筋肉には乳酸をエネルギー源として利用する仕組みがあって、それを動かすのに酸素が必要で、これを皆さんがよくきく有酸素運動といい、大量にエネルギーを取り出せるので持久運動に利用されます。そしてその持久系で主に用いる筋肉が存在しています。

一方で筋肉で糖質からエネルギーを取り出して乳酸を作り出す仕組みは、酸素を必要としないので、いつでもすぐ発動できます。これは瞬発力を作り出すのに適していて、それを用いる瞬発系の筋肉があるのです。
実は糖質は瞬発力を出す筋肉には多く蓄積されていて。持久力を出す筋肉には少ないのです。つまり、運動を始めると瞬発系の筋肉が働いて、乳酸をたくさん作りだし、これを血液を介して持久系の筋肉に供給しないと、持久力が発揮できないことがわかりました。

血液に乳酸が増えないと、持久力が出ないというのです。全く逆だったのです。

残念ながら、いまだに乳酸が疲労の原因だと信じてるスポーツ・栄養関係の人が多いとききます。正しい知識の普及が必要です。

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まあ正直・・・乳酸が疲労の原因、筋肉痛の原因だと思ってる人結構多いでしょうね。

当院でみられるギックリ腰や寝違い等の痛みは、筋肉の微小断裂等が考えられますが、急に激しい運動をした場合の痛みもこの微小断裂の痛みだと思われます。

微小断裂は・・顕微鏡レベルの断裂で、ひどいのがスポーツ選手がたまになる、肉離れ（いわゆる筋断裂ですね）です。

※有酸素運動
筋肉を動かす際に、酸素を消費する仕組みを使う運動の形態。
酸素は筋肉内のミトコンドリアという小器官で消費され、エネルギーを取り出す。有酸素運動が行われるのには、ミトコンドリアに乳酸、あるいはその消費産物であるピルビン酸の供給が必要である。乳酸やピルビン酸は糖質を分解する仕組みである解糖系によって得られる。解糖系はそれ自体でエネルギーを取り出せる為、酸素を使わない運動が可能で、これを無酸素運動という。

高校での生物の復習ですね！

コメント 2

乳酸って疲労物質じゃなかったのですね！
ずっと悪いもの〜〜〜ってイメージが強かったです^^;
by リュカ (2015-09-22 11:57) 

リュカさん
皆さん、乳酸は疲労物質と思ってるイメージの人、結構多いですよね（笑）記事にありますが乳酸は持久力発揮には必須です！
by T-CHIRO (2015-09-22 17:11)