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先日のノーベル医学生理学賞の件で。 [その他]

先日のノーベル医学生理学賞の件で、かなり気になる記事がありました。
一般の方はあまり気にされてないかもですが、大村智氏と同時に受賞された中国人薬学者の方の関連の記事です。

今年のノーベル医学・生理学賞の受賞者はご存じのとおり

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ウィリアム・キャンベル氏、大村智氏、屠呦呦(ツー・ヨウヨウ)氏の3人に対し「寄生虫感染症」の功績により2015年のノーベル医学・生理学賞を授賞すると発表した。

一方、屠さんは60~70年代、マラリアの治療薬を探すため、伝統的な薬用植物を研究。キク科の薬草から取りだした物質「アルテミシニン」がマラリアの治療に有効であることを示した。自然科学系で中国で生まれ中国で研究を続けてきた研究者の受賞は初めて。ちなみに

屠氏は中国中医科学院の首席研究員であり終身研究員の身であるが、その経歴を華やかに彩るような大きな肩書はなく、「博士号」「留学経験」「中国科学院会員」のいずれもないことから「三無科学者」とも称されている。

中国の伝統医学である「中医学」は現代の中国でも広く民間に普及しているが、これと西洋医学を融合すべく、長年の研究を進めてきた。中医学の治療薬の主な原料となるのは薬草だが、ここからマラリア治療の特効薬となるアルテミシニンという成分の抽出に成功したことが、高く認められる形となった。

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ここでのポイントは中医学です、中医学?ときくと皆さんピンとこないかもですが、中国では広く民間に普及してる医学です、日本でいうと鍼灸師のイメージでしょうか。
アルテミシニンという薬は中医学でいう漢方薬から抽出された薬なのです。

ここで日本ではあまり報道されてなく、残念ながら日本人は関心が向かなかった記事に

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スウェーデン・ストックホルムのカロリンスカ研究所で授賞発表後に開かれた記者会見。英公共放送BBC(電子版)の報道によると、およそ30分間にわたる会見で、記者らの質問はほとんど屠氏や中医学に関するものへ集中した。伝統的な中医学は一般的に、西洋医学に対する代替医療という位置づけで認識されているが、記者の関心はこうした分野がノーベル賞を受賞する意義について向けられたという。

ノーベル委員会生理学・医学部門のウルバ・レーンダル事務局長らが、屠氏の授賞理由について繰り返し強調したのは「中国の伝統医学そのもの」が評価されたのではなく、屠氏がマラリア治癒において、薬草の中のどの成分が効果を示すのかを特定した点、またこれを臨床に応用し、薬品として量産可能にした点を評価したこと。カロリンスカ研究所のハンス・フォースバーグ教授も「中医学から啓発を得た結果、新薬の開発に成功し、世界に貢献を果たした個人に対して賞を贈るのです」と説明している。

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上の記事にある”伝統的な中医学は一般的に、西洋医学に対する代替医療という位置づけで認識されているが、記者の関心はこうした分野がノーベル賞を受賞する意義について向けられたという。 ”

残念ながら中医学は中国では広く普及されてるのですが、世界からみればあるいは西洋医学からみれば・・・代替療法の位置づけなのです。ただアルテミシニンの成分が漢方薬から抽出されたところから記者会見上にいた記者は、今回の業績は中国の伝統医学を認めたことになるのでは?質問されたような印象を受けます。

ノーベル賞は科学・化学界の最高の賞になるんだと思いますが、残念ながら中医学の伝統的な身体を見る技術や治療方法というあたりが、科学性に繋げられないのと、カイロプラクティックも身体へのアプローチの検査や技術が残念ながら科学というあたりに繋げられない部分が共通しています。

そんな中、漢方薬専門の薬学者の屠氏の業績は、中医学が世界では代替療法としての位置づけであったとしても、代替療法の専門家がノーベル賞を受賞したのは、おそらくはじめてだと思いますので、同じ代替療法のカイロプラクティックを学ぶ者にとっても誇らしい気がします。
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コメント 2

リュカ

中医学って言葉は初めて聞きました。
もしかしたらこれからノーベル賞をとる内容も
変わってくるかもしれないですね(^^)
by リュカ (2015-10-18 10:57) 

T-CHIRO

リュカさん
中医学と書きましたが、日本でいうと東洋医学、鍼灸院での施術行為ですね。

以下はコピペですが

現代中国の中医学は、西洋医学の影響を受け、中医内科、中医外科、中医婦人科、中医小児科などに細かく分類され複雑化している。中国の中医師の資格種類は次のとおりに分けられる。
中医師(生薬処方を中心とする湯液治療を専門とする)
針灸、推拿(中国整体)治療中心の中医師

その他に医師は西洋医があるが、西医学部を卒業後に中医学研修を受け、西洋医学も中医学も理解する「中西医結合」治療を行う医師(中医学部では西洋医学も同様に学習するため、両方の処方が可能である)もいる。この際、診察や処方において「西洋医学の薬にしますか、中薬にしますか」などと聞かれることがある。

日本の漢方医学と同根ではあるが、日本と中国の社会的事情、歴史的経緯、生活習慣、風土などの違いから、漢方医学と中国医学は診察方法などが大きく異なる。例えば以下のようなものである。
中薬(日本でいう漢方薬)
薬食同源(医食同源)、薬膳
鍼灸(針、灸)
推拿:中国における手技療法、マッサージ。古くは按摩とも。日本の按摩とは、その形態が異なる。
気功

          なんだか文が長いですが参考までに。
by T-CHIRO (2015-10-19 15:44) 

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